「もし、私の目が見えたら、藤森亮一さんの追っかけどこまでもします。」
昨日、視覚障害の方がお電話でそう話されます。そして、
「40代まで弱視だけれど、はっきりと見えていたんです。
だから白い杖は折りたたんでカバンにいれて、侮っていたんです、見えていても視野が狭まっていたんです。
で、工事中の交差点で事故に遭って、救急車で運ばれて、手術を受けて、その事故が原因で全盲になったんです。
入院して1ヶ月半ほど経ったある日、入院前、プラハ放送交響楽団・サントリー公演のチケットを買っていたことを思い出したんですよ。
ブラームス交響曲第4番、あとはチャイコフスキーのPコンチェルトだったかな、兎に角、チケットが高かったので勿体無いと思い、病院を抜け出し、娘に連れられて、サントリーに行ったんですよ。
その時のブラームスが素晴らしくて、指揮者もオケも会場も大興奮状態で、どんどん、どんどん、とエネルギーが漲って、そのとき、大丈夫だ、私は、目が見えなくても大丈夫だ、と思ったんです。
そして失くしたから見えるものがある、と捉えていける彼女がすごい!!
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