2015年10月8日木曜日

音楽と言葉


「もし、私の目が見えたら、藤森亮一さんの追っかけどこまでもします。」

 昨日、視覚障害の方がお電話でそう話されます。そして、

 
40代まで弱視だけれど、はっきりと見えていたんです。

だから白い杖は折りたたんでカバンにいれて、侮っていたんです、見えていても視野が狭まっていたんです。

 
 で、工事中の交差点で事故に遭って、救急車で運ばれて、手術を受けて、その事故が原因で全盲になったんです。


 入院して1ヶ月半ほど経ったある日、入院前、プラハ放送交響楽団・サントリー公演のチケットを買っていたことを思い出したんですよ。

 
ブラームス交響曲第4番、あとはチャイコフスキーのPコンチェルトだったかな、兎に角、チケットが高かったので勿体無いと思い、病院を抜け出し、娘に連れられて、サントリーに行ったんですよ。

 
その時のブラームスが素晴らしくて、指揮者もオケも会場も大興奮状態で、どんどん、どんどん、とエネルギーが漲って、そのとき、大丈夫だ、私は、目が見えなくても大丈夫だ、と思ったんです。

 
でも、退院して、家にいると、気持ちが暗くなってくるんです。そんな時ちょうど、詩の朗読のボランティアの方が家を訪れてくれて、

 
その方、簡単に挨拶したと思ったら、一切,私語はなく、ただただ、詩や絵本を読み続けてくれるんです。音楽と朗読が私を救ってくれたんです。

 
そして出会いました。藤森さんのチェロに・・藤森さんのチェロは特別なんです。目が見えないからこそわかるんです。

 
お礼にせめて感謝を伝えさせてください。とのことでした。

 
藤森さん、すごい!!

そして失くしたから見えるものがある、と捉えていける彼女がすごい!!











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